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酒さ(しゅさ) INSURANCE

酒さ(しゅさ)について

酒さとは

酒さ(しゅさ)とは、顔面(頬・鼻・額・顎など)に慢性的な赤みやほてりが生じる疾患です。英語では「Rosacea(ロザシア)」とも呼ばれ、中年以降に多く見られる慢性炎症性皮膚疾患です。以下のような症状が特徴的とされています。
・持続性の赤み(紅斑)
・ほてり・灼熱感
・毛細血管の拡張(毛細血管が透けて見える)
・丘疹(きゅうしん)や膿疱(のうほう)
・乾燥や皮脂分泌の異常
一見するとニキビに似た発疹が出ることもあり、誤って「ニキビ治療」を行って悪化してしまうケースもあるため、正しい診断が非常に重要です。

酒さの原因

血管の過敏反応

何らかの理由で顔面の血管が拡張しやすくなり、赤み・ほてりが持続します。 温度変化や辛い食べ物、アルコール、ストレスなどで症状が強まることがあります。

遺伝的要因・皮膚のバリア機能異常

家族内発症の報告もあり、体質的に皮膚のバリア機能や血管の反応性が高い場合があります。バリア機能が低下すると、外部刺激(紫外線、化学物質など)による炎症が悪化しやすくなります。

微生物(ダニや細菌)の関与

皮膚に常在するダニや細菌が増殖し、免疫反応や炎症を引き起こす可能性が指摘されています。ただし明確な因果関係は十分に解明されていないため、あくまで説の一つです。

その他(ホルモンバランス、生活習慣など)

ストレス、過度の飲酒、睡眠不足などで自律神経やホルモンバランスが乱れると、血管拡張や皮膚バリアの破綻につながることがあります。

酒さは、遺伝的素因や血管反応性、生活習慣や外部刺激などが複合的に影響し発症すると考えられています。原因は多岐にわたり、完全には解明されていない部分も多いため、お一人お一人にあったアプローチが求められます。

このような場合はご相談ください

このような場合はご相談ください

  • 顔の赤みが数週間以上続き、熱感やほてりが強い場合
  • 洗顔後や入浴後に皮膚が乾燥し、赤みがさらに増す場合
  • 辛いもの・アルコール摂取で顔が異常に赤くなる、血管拡張が目立つ場合
  • ニキビやアトピー用の治療薬を使っても改善せず、むしろ悪化する場合
  • 頬や鼻の毛細血管が透けて見えるなど、見た目の変化が気になる場合
  • 刺激性化粧品やスキンケア用品にかぶれやすく、皮膚が敏感になっている場合

当院の治療方法

保険診療

外用薬

保険適応の治療薬としてメトロニダゾールの外用薬があります。

内服薬

丘疹や膿疱など炎症所見が強くある場合、ミノマイシンやビブラマイシンなどの抗生剤を服用します。

生活習慣指導・スキンケアの見直し

辛い食事、アルコール、極端な温度変化、紫外線など刺激を避けることが推奨されます。
十分な睡眠、適度な運動、リラクゼーションなどのストレスマネジメントも大切になります。
低刺激性の化粧品や洗顔料を使い、こすりすぎや熱いお湯の使用を控えるといったスキンケアの注意点もあります。

自費診療

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イベルメクチン外用、IPL治療(フォトフェイシャル)、ニードルRF(ポテンツァ)、イソトレチノイン内服など様々な選択肢があります。

日常生活で気を付けるポイント

刺激を極力避ける

洗顔はぬるま湯でやさしく行い、タオルで擦らず押し当てるように水分を拭き取りましょう。過度なピーリングや高濃度のスキンケア成分(アルコール、香料など)が入った製品はなるべく控えましょう。

紫外線対策

紫外線は皮膚を刺激し、炎症や血管拡張を助長する可能性があります。外出の際には日焼け止めを定期的に塗りなおしましょう。3時間に1回の塗りなおしが推奨されています。

飲食・生活習慣を整える

辛いものやアルコール、カフェインなど血管を拡張させる食品は症状を誘発する因子になります。またストレスや睡眠不足も悪化要因となり得るため、生活リズムの整備・リラックス法の導入がおすすめです。

適切な保湿と保護

乾燥を防ぎ、皮膚バリアを維持するために保湿剤(敏感肌用)を使用しましょう。冬場の暖房や夏場の冷房による乾燥、温度差などへの注意が必要です。

よくあるご質問(FAQ)

Q

酒さはニキビとどう違うのですか?

A

見た目に似た丘疹や膿疱ができることがありますが、酒さは血管拡張や持続的な赤みが特徴的です。ニキビ薬を使っても治らない、むしろ悪化することがありますので、正確な診断・治療介入が大切です。

Q

完治はできますか?

A

酒さは慢性的な疾患であり、完治というよりは症状をコントロールして寛解状態を目指すことが多いです。早期の適切な治療と生活習慣の見直しを行うことで、症状を改善・抑制できる可能性があります。

Q

お酒を飲むと顔が赤くなるのは酒さなのでしょうか?

A

お酒を飲むと一時的に顔が赤くなるのは、アルコールが血管を拡張させる作用によるものです。必ずしも酒さとは限りませんが、酒さの方はアルコール摂取で症状が強く出やすい場合があります。