酒さ・赤ら顔について、原因や治療方法を詳しく解説

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酒さ・赤ら顔について、原因や治療方法を詳しく解説

酒さとは

酒さ(しゅさ、Rosacea)は、顔や首などの肌が露出している部分に発生する慢性皮膚疾患です。現時点では明確な原因が特定されておらず、多因子的な要因が関与していると考えられています。一般的に、30代以降の女性や色白の人(スキンタイプⅠ~Ⅱ)に多く見られます。

  • 発症年齢: 30代以降に多く見られますが、20代から症状が現れることもあります。
  • 性差: 発症頻度は女性に多いですが、重症化しやすいのは男性です。
  • スキンタイプ: 色白の人(スキンタイプⅠ~Ⅱ)に多く見られます。

酒さの原因と関連要因

酒さの原因はまだ明確ではありませんが、以下の要因が関与している可能性があります。

  1. 末梢血管の拡張が起こりやすい体質
  2. 慢性的な化粧品かぶれ
  3. 微生物感染: ニキビダニやピロリ菌などの感染が考えられています。
  4. ステロイド外用: 長期間のステロイド外用による酒さ様皮膚炎が発症することがあります。

酒さの主な症状

1期(血管拡張期)

この時期には、顔のほてりや赤み(紅斑)、ひりつきが現れます。これらの症状は一時的であったり、持続したりします。毛細血管の拡張が見られることもあります。

2期(炎症期)

ニキビに似た発疹(丘疹や膿疱)が出現します。増悪や改善を繰り返すことが多いです。

3期(進行期)

鼻が赤く腫れ、ニキビのようなしこりが現れ、さらに進行すると鼻瘤(団子鼻)が出現します。

その他(眼型など)

稀ではありますが、目の周りに乾燥や炎症などの症状が現れることがあります。この症状は重症度とは必ずしも関連しません。

副症状

酒さの副症状として以下のようなものが挙げられます。

  • ひりつき
  • 乾燥肌
  • むくみ
  • ドライアイ
  • 頭皮の炎症
  • 皮脂腺過形成・腫大

酒さの進行分類

進行分類というものもあり症状や重症度に合わせて以下のようなステージ分類があります。

  • ステージ1: 顔のほてりや赤みが一時的に出現。寒暖差やアルコール摂取などで悪化します。
  • ステージ2: 常に顔が赤くなり、毛細血管拡張症やクモ状血管腫が見られます。
  • ステージ3: ニキビのような丘疹・膿疱が伴う。
  • ステージ4: 主に男性に見られる鼻瘤が現れ、皮脂腺の過形成が進行します。

酒さの増悪因子

酒さ・赤ら顔の増悪因子として以下の項目が考えられております。日常生活で避けることの難しいものが多く含まれていますが、可能な範囲で避けることを推奨しております。

  • 紫外線
  • 寒暖差
  • アルコール摂取
  • 熱い食べ物の摂取
  • 刺激の強い化粧品の使用
  • ステロイド外用薬の使用(酒さ様皮膚炎)

酒さの治療法

1期(血管拡張期)

毛細血管拡張による赤ら顔が見られる場合、塗り薬による効果はあまり期待できないため、光治療やレーザー治療が主に行われます。主に血管内のヘモグロビンに吸収され熱を発生させる光やレーザーを照射し毛細血管の拡張を抑えていきます。

  • IPL(Intense Pulsed Light、フォトフェイシャル): 590nmの波長を多く含む光を使用し、血管をターゲットにした治療法です。美肌効果も期待でき、副作用が少ないため現在では強く推奨されております。
  • Vビームレーザー: 590nm単一波長のレーザーで、IPLと比較すると副作用のリスクが高いです。
  • Nd-YAGレーザー: 高出力では治療効果を発揮しますが、副作用のリスクも高く慎重な治療が必要となります。ロングパルスNd-YAGレーザーの頻回照射での改善も期待できます。
  • マイクロニードルRF(ポテンツァ): 比較的新しい治療法で、臨床的に効果が認められています。毛穴の引き締めやニキビの治療を併用していきたい場合には強く推奨されます。

2期(炎症期)

炎症が進行している場合は、外用薬や内服薬による治療が必要です。一般的にアトピー性皮膚炎などで用いられている薬剤(プロトピック、コレクチム、ステロイドなど)では改善しないことが多いです。またステロイド外用薬では酒さ様皮膚炎の発症リスクがあります。

  • 抗生剤外用薬
  • 抗生剤内服薬
  • イベルメクチン外用
  • アゼライン酸外用
  • イソトレチノイン内服

3期(進行期)

鼻瘤が現れた場合、治療は非常に難しくなります。炭酸ガスレーザーなどでの外科的処置が必要です。


酒さ(赤ら顔)には様々な症状や病期があり、適切に診断・治療を行っていくことが大切です。当院では光治療・マイクロニードルRF治療・内服・外用などの選択肢を

酒さ・赤ら顔でお悩みの方は当院のカウンセリングへお越しください。


参考文献

  • Webster, G. F., & Toso, S. M. (2016). Pathophysiology of Rosacea: The Role of Demodex Mites in Rosacea. Journal of Clinical and Aesthetic Dermatology, 9(2), 11-15.
  • Van Zuuren, E. J., Fedorowicz, Z., Carter, B., & van der Linden, M. M. (2015). Interventions for rosacea. Cochrane Database of Systematic Reviews, (4), CD003262.
  • Holmes, A. D., & Steinhoff, M. (2017). Rosacea: Clinical presentation, evaluation, and management. American Journal of Clinical Dermatology, 18(4), 511-524.
  • Two, A. M., Wu, W., Gallo, R. L., & Hata, T. R. (2015). Rosacea: Part I. Introduction, categorization, histology, pathogenesis, and risk factors. Journal of the American Academy of Dermatology, 72(5), 749-758.
  • Tan, J., Almeida, L., Bewley, A., Schaller, M., & Ertzbischoff, K. (2017). Rosacea treatment update: recommendations from the global ROSacea COnsensus (ROSCO) panel. British Journal of Dermatology, 176(2), 465-471.


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