尋常性疣贅(ウイルス性いぼ)

尋常性疣贅とは
尋常性疣贅(じんじょうせいゆうぜい)とは、ヒトパピローマウイルス(HPV)が皮膚に感染することで生じる良性のいぼ(疣贅)です。一般的には“ウイルス性いぼ”と呼ばれ、以下のような特徴があります。
・皮膚の表面が硬く盛り上がり、表面がざらざらしている
・直径数ミリから1センチ程度の大きさに育ち、数が増える場合もある
・手や足の指などにできるケースが多い(顔や他の部位に発生することもある)
・痛みやかゆみは通常はあまりないが、足底に生じた場合は歩行時の刺激で痛みを伴うことがある
尋常性疣贅(ウイルス性いぼ)の原因
ヒトパピローマウイルス(HPV)の感染
尋常性疣贅はHPVの特定の型(主に2型・4型など)によって引き起こされます。ウイルスは皮膚の微小な傷などから侵入し、感染部位の角質細胞を増殖させることでいぼを形成します。
免疫力・皮膚バリアの低下
免疫力が低下している時期や、皮膚のバリア機能が弱っているときに、ウイルスが侵入しやすくなります。子どもや高齢者、アトピー性皮膚炎などで皮膚の防御機能が低下している人は、発生リスクが高まる傾向があります。
接触感染
銭湯やジムなどで同じタオルやスリッパを共有するなど、間接的な接触でも感染が広がる可能性があります。自分の他部位へとウイルスを運んでしまう自己接種感染にも注意が必要です。
このような場合はご相談ください
このような場合はご相談ください
- 顔や指など目立つ部位のいぼを早期に取りたい場合
- いぼが複数でき、増えてきている場合
- 足裏のいぼが痛みや歩行障害を引き起こしている場合
尋常性疣贅は放置していても自然治癒することがありますが、数が増えたり痛みなどがある場合は早期に医療機関を受診することをおすすめします。
当院の治療方法
液体窒素療法
液体窒素(-196℃の液体)を使用しいぼを焼却します。1~2週間に1回の頻度を繰り返して徐々にいぼを除去します。小さいものであれば3~4回程度、足底などの広範囲にできたものに関しては数か月~1年程度かかるものもあります。
炭酸ガスレーザー(自費診療)
顔や指にできた小さいいぼを1度で除去したい場合に使用されます。レーザー照射部位が傷跡となるため、当院では足底など広範囲の病変への施術は行っておりません。
日常生活で気を付けるポイント
・自己処置で無理に削ると出血や感染リスクが高まり、ウイルスが広がる可能性があるため、いぼをむやみに触らないようにしましょう。
・乾燥や傷があるとウイルスが侵入しやすくなるため、保湿剤などで皮膚のバリア機能を維持。
・気になるいぼがある場合は、拡大を防ぐためにも早めの医療機関受診がおすすめです。
よくあるご質問
尋常性疣贅は自然に治ることがあるのですか?
はい、年単位の経過で自然に消える場合があります。ただし、他部位に増え拡大しているなど困る症状がある場合は早めに医療機関を受診しましょう。
いぼがウイルス性かどうかを見分ける方法はありますか?
医療機関での診察が望ましいです。 脂漏性角化症、脂腺増殖症、軟性線維腫など様々ないぼとの鑑別があります。 一般的にはに黒っぽい点状出血(スピッカ)が見られたり、表面がザラザラして盛り上がっている場合はウイルス性疣贅の可能性があります。